「気合い100連発」と「どうか、待っていていただけないでしょうか」

第一部 「気合い100連発」by Chim↑Pom [チン↑ポム]

岡本太郎の「明日の神話」。約40年前に作られたこの作品は「原爆の炸裂する瞬間を描いた」幅30メートルの大きな壁画です。依頼元のメキシコでずっと行方不明だったこの作品は、2003年に現地で発見、修復され、現在は東京の渋谷駅構内に展示されています。

そして、この壁画が再びニュースになったのは先月の18日。落書きをされた、いたずらをされた、と報道され、おいこら不謹慎な事を、と憤慨して調べてみたら、あらら、ちょっと様子が違う、みたい、です。

報道された写真を見ると、壁画そのものには手を付けずに(これ大切)、全体の右下部分に壁画の一部を表現したパネルが付け加えている。で、これが結構しっくり岡本太郎の壁画と結合していて、悪くない。ぜひ生で見たかったです。

そしてこのパフォーマンスをしでかした「張本人」が日本のアート集団「 Chim↑Pom」。
渋谷で捕獲したネズミをぴかちゅうモドキの剥製にしたり、カンボジアの地雷撤去を支援しようと現地訪問する海外セレブ達の視点で、自分たちのブランド品を爆破させてオークションにかけたり、過激とも称されるパフォーマンスや展示の中にも、独自の視線を感じるグループです。昨年あたりから「チンポム」の名前を耳にする機会が増えてきているので、ご存知の方も多々多々いらはることと思います。

そんななか、彼らの個展に行ったgossipファミリーの一員が、会場で入場者に配られたCDを貸してくれました。
音声5分ほどの作品「気合い100連発」は「津波の瓦礫の山の中で、チンポムを含む被災地の若者たちが円陣を組み、“気合い”を入れている様子を撮影した」作品です。それぞれ順番に「復興がんばるぞー」「漁師サイコー」のような事を叫び続ける”だけ” と言っては “だけ” の作品です。

この手の作品への批判や揶揄は容易にアタマに浮かびます、が、それを表現するだけでは、ここにじっと立ち止まるだけで、どこにも行けずにあちこち沈滞してしまい、何かがどこかでいけないのではないか。そんな不安にかられます。この感覚は、3/11以降の新しい感覚なのでしょうか。
瓦礫の中で円陣を組み、エールを送る対象はだれなのか。自分だったらどんな気合いをいれるか。円陣と瓦礫と海辺の映像が目の前に浮かんだ5分間でした。

賛否両論のChim↑Pomさんの作品、ぜひ機会を見つけて体験してみてください。既存の前衛、過激、悪ふざけアート集団とはちと違う “あたらしさのような” なにかを感じるやもしれません。ぜひ共有したいです。

参考資料1:Culture Power – Chim↑Pom
参考資料2:Y’not Report Revival: Chim↑Pom展「REAL TIMES」
参考資料3:岡本太郎 – 明日の神話オフィシャルページ [Hobo Nikkan Itoi Shinbun Partnership]

 

第二部「どうか、待っていていただけないでしょうか」はまた後日。



タキタ