【コラム9号】「言葉と存在」

web gossip 新聞 第9号~2017年6月配信

「言葉と存在」

その「単語」を知っていることと、その「存在」を知っていること。

「LGBT」という言葉を知っているか、という質問があります。

知っている人という回答が多い場合は、「ここ数年メディアなどでの扱いが増えたこともあり認知度が高まってきた」という評価になり、その数が少ない場合は「とはいえ、まだまだ一般的には知られてはいない」、となる。

ただ、この場合の「認知度」は、「言葉そのものの認知度」であり、LGBT(性的マイノリティ)という「人の認知度」、ではないように感じます。

なんとなく音では聞いたことがある気がするけれど、単語の構成(LはレズビアンのL、Gは~、Bは~、Tは~、 )を正確には言えないと、「LGBTを知らない人」になり、「TはトランスジェンダーのTです。」のように単語そのものの説明をされて、「トランスなに?」とポカンとした時点でもまた、「LGBTを知らない人」になる。

LGBTという「単語の構成」がなにかを知らなくても、同性と交際をしている人や、生まれた性に違和感を持ち、自分の性で生きたい人の存在を聞いたことがある、または周囲にいる・いたという人は、地域や世代を問わずに案外多いのではないかと思っています。

例えば、「LGBTの人」を知ってる? という質問をした場合と、「男同士や女同士でつきあってる・いた人を知ってる?」」という質問をした場合では、回答が変わってくるのではないでしょうか。

テストのように単語の意味を繰り返し伝えることは、単語の認知度をあげることに役立つとは思いますが、それとは別に、「(なんと呼ぼうが、単語はともかく) 実はこんな人やあんな人が、学校や職場や町で生活をしているんだけれど、どうぞよろしく。」のスタンスで伝えていくことが、これからは好ましいのではないかと思っています。 だって、LGBTカテゴリーの前に、社会でひとりの人間として生活をしているのですから。

では、次回もお楽しみに!
タキタリエ