【コラム37】「幸せ要因の裏側を」 | web gossip

【コラム37】「幸せ要因の裏側を」

gossip ニュースレター vol.37/2015 9月号

「幸せ要因の裏側を」

今月30日はgossipの本のイベント『ブック・エクスチェンジ~本の交換会』の日です。今回私が紹介する予定の本は、『Wの悲劇』などで有名な推理作家、夏樹静子さんが2003年に書いたルポルタージュ『心療内科を訪ねて~心が痛み、心が治す』(新潮社)です。
1997年 の作品『腰痛放浪記 椅子がこわい』は、『心療内科』という言葉が一般に知られるきっかけになった本ともいわれていて、『ひどい腰痛に苦しんだ3年間の地獄体験が、著者を心療内科取材に駆り立て』、その数年後にこのルポルタージュを書いたそうです。

裏表紙の紹介文には、『ひどい腰痛に苦しんだ3年間の地獄体験が、著者を心療内科取材に駆り立てた。潰瘍性大腸炎、顎関節症、高血圧、拒食・ 過食症、脱毛……原因不明のすべての症状の裏には、心の痛みが隠れていた。心はあらゆる形をとって警告を出していたのだ。様々な症状に苦しむ人々の体験を 語り、大反響のルポルタージュ。腰痛、肩こり、不眠、倦怠……の原因は、あなた自身かもしれません──。』 とあるように、夏樹静子さん自身の体験も含めて11人のケースが書かれています。

耐え難い腰痛を治すために、手あたり次第なんでもといってもいいほどあらゆる治療法を試し続け、最終的に医者からある宣告をされ。。。内容にはこれ以上触れませんが、何年も前に読んだこの本を今回イベント前に再読し、やはりとてもおもしろく読みました。

私は学生のときから、なぜかこの手の ”患者さんの体験談が医者の説明とともに書かれている本” にひかれる傾向にあり、これらの本をいろいろ読んだこと が、もしかしたら今、『多様性』の理解のハードルがやや低めの設定になっていることに影響しているのかも、などと思ってしまいます。

先日聞いたあるFMラジオ番組に、”リスナーの悩みに、リスナーがアドバイスをするというコーナーがあり、『子どもが3人いて離婚を考えている』が今、離婚すべきか、それとももう少し我慢すべきか、という内容の”悩み”が紹介されていました。

この悩みに対して、『子どもが三人もいるってことは、ダンナさんと仲が良かったはずですよね? それを思い出して。』というアドバイスがあり、私はこのアドバイスをしたリスナー(女性)だけでなく、番組DJもそのアドバイスに対して、なんの意見もなかったことにもやや驚きを感じました。

も し私が、『そこにドメスティック・バイオレンス(DV)や、結婚している相手からの強姦であるマリタルレイプ(marital rape)の可能性はないのか。子どもが三人いる事は、幸せな時を過ごした事の結果であるとは限らないのでは?』、と言ったら、どう感じますか。

そんなこと普通はないでしょうと思うでしょうか、そんな大げさな!と戸惑うでしょうか、それとも、そうそう、そうだよねと思うでしょうか。

見たことも聞いたこともないことを、最初に知ったとき、それを自分の事としてとらえるためには、どうしたらいいのか。 『そんな大げさな!』と思う前に、『すまん、知らなかった』と自分も相手も、即座に言うことができたらば。

自分は多様性の理解のハードルが低めの設定などとエラそうに書きましたが、以前友人に言われてガツンと響き、私を戒め続けていることがあります。
その時から一般的に『幸せ要因』と思われていること、子どもが3人いるとか、(外では)優しい旦那さんとか奥さんとか、裕福な家で育ったとか、の裏には、正反対の状況があり、幸せ要因の裏だからこそ、余計に理解されにくく、つらい気持ちの人がいるかもしれないこと。それを忘れないように意識をしています。  ついつい自分の枠で考えてしまいがちですけれど。まずは意識から。

では、次回もお楽しみに。
タキタリエ

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