映画「アフター・ルイ」感想 | web gossip

映画「アフター・ルイ」感想

エイズアクティビスト団体「ACT UP」のメンバーとして活動してきたアーティストのサムは、80年代から多くの友人を失ってきた。生き残った自分は「サバイバー」として過去を現代に伝えていかなくては、と制作に打ち込むけれど、現代が彼に求めているものは新しい作品であり、彼が縛られている過去とその表現方法には誰も興味を示さない。

気晴らしに飲みに出ても、サムにとって、若いゲイたちはコミュニティの歴史も過去に起きた事実も関係なく、楽しくのほほんと遊び暮らしている様にしか見えない。フラストレーションがたまっていく中、ある青年と出会い、徐々に自分自身の時間が止まっていたことに気づきはじめる。

いったい自分は、誰に、何を、伝えたいのか。自分のしていることは自己満足なのか。

昔は上の世代にジェネレーションギャップを感じていたのに、もしや今は自分がそのジェネレーションギャップの対象になっているかも。少しでもそんな風に感じたことがある人は、この映画を観たらちょっと心がざわつきます。それはどうやって回復したらいいのだろう。

その後サムが周囲との関係を回復させたきっかけは不安を感じながらも、自ら他者に対してアプローチ(パーティ)をしたこと。調子がいいなーと思うけれど、受け入れる方もサムが新しい時を歩み始めたということを理解したからこそ、たくさんの人が集まりました。

あらためて思うのは、「自分の世代を肯定するために、別の世代(上でも下でも)を否定する必要はない」ということ。これは世代に限らず「個人」でもそうですね。セルフチェックにもとてもいい映画でした。

主人公サムを演じるアラン・カミングさんはこの映画のプロデューサーも務めています。どんな思いがあったのでしょうか。聞いてみたいです。

アフター・ルイ 英題:After Louie
http://rainbowreeltokyo.com/2018/program/after_louie

公式サイト(英語)http://afterlouie.com/

参考資料:
若きエイズ活動家たち描く『BPM(Beats Per Minute)』、カンヌでW受賞 https://www.cinemacafe.net/article/2017/05/29/49775.html

「「ACT UP」とは、正式名称を「The AIDS Coalition to Unleash Power=力を解き放つためのエイズ連合」といい、1987年3月にニューヨークで発足したエイズ・アクティビストの団体。エイズ政策に感染者の声を反映させることに力を入れ、差別や不当な扱いに抗議して、政府、製薬会社などに対し、しばしばデモなどの直接行動に訴えることも。現在は全米各地やフランス、インド、ネパールなどにも作られている。」

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