映画「プリンセス・シド」感想 | web gossip

映画「プリンセス・シド」感想

とても繊細でいい映画でした。16歳の主人公シドが、母親の故郷であるシカゴの叔母さん宅で過ごしたある夏の物語です。

シドの叔母さんミランダは、著名な作家さんで、公私ともにいろいろな人と関わり、充実した生活を送っている。姪との再会は、あの時以来で、ほとんど初対面のようなもの。
ミランダがシドに用意した部屋はシドの母親が子どものころに使っていた部屋で、家にはたくさんの本がある。これならシドも退屈しないのではと期待をしていたけれど、シドは部屋にも本にも興味はない様子で、気ままに日光浴やランニングをして夏休みを楽しんでいる様子。そんなある日、道に迷ったシドが立ち寄ったカフェで働いていたケイティに出会う。明るく自由に暮らしているように見えるけれど、実はケイティも家族の問題を抱えながら生きていた。

親子でも友達でもない、シドとミランダとの生活は、お互いに遠慮や距離感を感じつつも、きっとそこには安心感があったはずです。シドが帰る最後の日、ケイティとミランダの三人は海で一日を過ごします。その姿は仲良しグループにも見えるし、家族にも見える。この夏は、ケイティにも信頼できる大人ができた特別な夏になりました。

シドにとって、父親や友達たちのいる日常から離れて過ごした夏休みは、奇しくも自分のルーツ、幸せ、性、生きる目的や喜びについて考える時間になりました。そしてそれは叔母であるミランダの生き方にも、ちょっとだけ影響を与えました。

静かでゆっくりした時は、過ぎてしまった後、とても繊細に心に残る。
それには立場や年齢は関係なく、だからこそ、ラストシーンのミランダの行動とセリフが泣けるのです。

もしかしたらシドにとって、あまり現実的に思えて(覚えて)いなかった兄と母親の事故のことも、この夏をきっかけに、何かが変わるかもしれないですね。

すてきな映画でした。ぜひ機会があればご鑑賞を。

第27回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
プリンセス・シド 英題:Princess Cyd
http://rainbowreeltokyo.com/2018/program/princess_cyd

公式サイト(英語)http://princesscyd.com/

スポンサーリンク
広告s
広告s